柏島魚類データベース

Sebastiscus marmoratus Cuvier, 1829 カサゴ

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属名 Sebastiscus カサゴ属
学名 Sebastiscus marmoratus
和名カサゴ
記載 Cuvier, 1829
サイズ 全長 25cm
説明背鰭12棘10〜13(12が多い)軟条、臀鰭3棘5〜6(5が多い)軟条、胸鰭17〜19(18が多い)軟条、腹鰭1棘5軟条。頭部背面に、それぞれ1対の鼻棘、眼前棘、眼上棘、眼後棘、耳棘、額棘、頭頂棘、及び頸棘があり、いずれも強い。涙骨の下縁には後下方に向かってとがる。眼窩の下縁に棘はない。色彩は個体による変異が大きい。本種よりやや深みい生息するウッカリカサゴとは、背鰭条数の最頻値が違うこと、体が暗褐色で、暗色の鰭膜に淡色の丸い斑紋が多数あること、胸鰭上後方に小黒点があること、胸鰭基部〜中央部に淡色の丸い斑紋の散在する大きな黒斑があることが異なるといわれる。しかし、両種の区別は困難。
分布水深2〜43mの珊瑚・転石帯・砂地・砂泥底の石の周辺、岩礁域。北海道〜九州南岸の太平洋沿岸、北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、瀬戸内海、八丈島;朝鮮半島南岸・東岸、済州島、中国渤海・東シナ海・南シナ海沿岸、台湾、シドニー湾(移入)。
生活史卵胎生。大部分が2歳で性成熟する。性比は1対1。雌の卵巣は、5〜9月は未熟で、11〜12月に急に成熟する。抱卵数は2歳で1万、3歳で1万8000〜5万7000、4、5歳で7万余り。雄の精巣は9月中旬以降急に肥大していっせいに精子が形成され、10〜11月初旬に精子が充満する。10〜11月初旬に交尾し、卵の成熟を待って11月頃に受精する。仔魚は11〜4月、特に12〜2月に出産される。孵化仔魚は3.5〜4.5mmで、黄卵をもつ。出産後1週間で卵黄を吸収し、10日後に5mmとなる。全身8mmの仔魚は1対の大きな頭頂骨棘、前鰓蓋骨棘をもつ。10mmで鰭条が定数に達し、17mmで浮遊生活から底生生活に移行する。4〜8月、約20mm、暗赤褐色となり、潮溜まりや礫底に生息する。仔魚は全長6mmで大型の橈脚類を食べる。0歳の未成熟は、夕刻から日没前まで、エビ、カニ類、アミ類、多毛類、端脚類、等脚類、クマ類、ガラテラ類、小型の巻貝などを食べ、成魚は、カニ・エビ類、ハゼ類、トラギス類、ヒザラガイ類、フジツボ類などを食べる。夜行性で、日没後に餌を食べる。着底後はあまり移動しない。縄張りをもち、他の個体に制約されない1個体、小さな縄張りをもつ個体、縄張りをもたない定住性の個体、放浪性の個体が混在し、それぞれの行動は異なる。
参照