柏島魚類データベース

Paraplagusia japonica Temminck and Schlegel, 1846 クロウシノシタ

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属名 Paraplagusia タイワンシタビラメ属
学名 Paraplagusia japonica
和名クロウシノシタ
記載 Temminck and Schlegel, 1846
サイズ 全長 35cm
説明体は長楕円形。有眼側は黄褐色や青褐色などで、無眼側は白色。無眼側の背鰭、臀鰭は黒いが、縁辺は白色である。眼は小さい。吻は鉤状となり、その先端は下眼の後縁下に達する。胸鰭はない。有眼側の口唇にひげ状物がある。体部の側線は有眼側に3本あるが、無眼側にはない。
分布水深1〜65m。沿岸の浅海や内湾の砂泥底。北海道小樽〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸、北海道〜九州南岸の太平洋沿岸、瀬戸内海;朝鮮半島全沿岸、台湾、中国東シナ海・南シナ海沿岸。
生活史産卵期は5〜9月。沿岸の浅海で産卵する。卵は直径0.7〜0.8mmの分離浮性卵で、孵化直後の仔魚は体長1.5〜1.6mm。孵化した仔魚は浮遊する。体長10mm位になるまで背鰭最前部の2本の鰭条は糸状に伸びている。浮遊期の生息域やその後の成育場は産卵場と同じ沿岸の浅海である。体長10mm前後で本種を含むタイワンシタビラメ属の特徴である、有眼側の口唇のひげ状物が現れる。この時期には鉤状の吻嘴も形成され始める。体長10〜13mm前後で右眼は深く切れ込んだ吻部を通って左側に移動する。右眼が体を横切るこの時期に着底して底生生活に入る。大きなうちわ状の膜鰭であった胸鰭は、発育にともない縮小し、変態が完了する頃には見えなくなる。南日本沿岸では、1年で体長9〜18cm、2年で15〜24cm、3年で26〜29cmになる。体長20cm位で成熟する。成魚は小型の甲殻類、二枚貝類、多毛類などを捕食する。仔魚の食性は浮遊期を通じたあまり変化せず、かい脚類ノープリウスや成体を捕食し、着底後はかい脚類の成体や端脚類を捕食するようになる。
参照